インターネット上でのビジネスが一般的になるにつれて、会社のホームページは重要な「顔」となっています。
しかし、もしそのホームページが「HTTP」接続で運営されている場合、訪問者の信頼度を損ないかねません。
本記事では、HTTPサイトの危険性や、なぜ「HTTPS」へ移行する必要があるのかを詳しく解説します。
ビジネスの信頼性を高めるために、今知っておきたい基礎知識を確認しましょう。
まずは自社のホームページを確認してみましょう!
自社のホームページを開いてみて、ブラウザ上部のURLを確認してみてください。
httpsから始まっていれば問題ありませんが、URLの最初に「保護されていない通信」という表示されていたり、ページを開こうとすると「この接続ではプライバシーが保護されません」と表示されたページになる場合は、必ず以下の内容を読んでください!
HTTPとHTTPSの違いとは?
まず、HTTPとHTTPSの違いについて理解しておきましょう。
この違いを知ることで、なぜHTTPが危険とされるのかが明確になります。
HTTPとは?
「HTTP」とは、HyperText Transfer Protocolの略で、ウェブページのデータをやり取りするためのプロトコル(通信規約)です。
1990年代からウェブサイトに使用されており、Webブラウザとサーバー間で情報のやり取りを行います。
HTTPSとは?
「HTTPS」は、HTTPに「SSL/TLS」という暗号化技術が加わったプロトコルで、データのやり取りを暗号化することで安全性を高めています。
これにより、通信内容が第三者に盗み見られることを防ぎ、データの改ざんを防止します。
一般的に、URLの先頭が「https://」で始まるサイトがこれにあたります。
HTTPサイトは危険!?
HTTP接続には暗号化がないため、ユーザーが入力したデータがそのままネットワーク上を通過します。
この仕組みには、以下のようなリスクがあります。
1. データの盗聴リスク
HTTPサイトでは、ユーザーが入力した情報(例:パスワードやクレジットカード情報)が暗号化されていない状態で送信されるため、第三者に盗まれる危険性があります。
この「盗聴」は、悪意ある攻撃者が容易に行えるため、特に個人情報や支払い情報を扱うサイトでは致命的です。
2. データの改ざんリスク
HTTPサイトでは、通信の途中でデータを改ざんされる可能性があります。
たとえば、ユーザーが見ている内容に悪意あるコードが追加されることで、意図しない広告や偽情報が表示されたり、マルウェアがインストールされたりする恐れがあります。
3. フィッシング詐欺への利用
HTTPサイトは、偽サイトと区別がつきにくいため、フィッシング詐欺に利用されることがあります。
SSL証明書がないHTTPサイトは、信頼性の低いサイトと見なされるため、訪問者は詐欺サイトではないかと疑う可能性が高くなります。
HTTPサイトはビジネスに悪影響を与える!
企業のホームページがHTTPのままであると、顧客の信頼を失う原因になります。
では、具体的にどのような影響があるのでしょうか?
1. 信頼性の低下
HTTPS接続であることは、サイト訪問者にとって「安全で信頼できるサイト」である証拠と見なされます。
一方、HTTPのままだと、Google Chromeや他のブラウザが警告を表示することがあり、訪問者が「このサイトは安全ではない」と判断してしまいます。
2. SEO評価の低下
Googleは、検索結果のランキングにおいてHTTPSサイトを優先する傾向にあります。
HTTPサイトを維持することで、検索エンジンの評価が下がり、結果的に検索順位が低下する可能性があります。
これは、SEOにとって致命的な影響を与えます。
3. コンバージョン率の低下
セキュリティに疑問を感じた訪問者は、購買行動や問い合わせを控える傾向があります。
特にECサイトの場合、HTTPサイトのままだと、カートに商品を入れても購入を躊躇するユーザーが増えるでしょう。
安全な環境を提供しないことが、結果として売上やコンバージョン率に悪影響を与えます。
HTTPS化のメリット
HTTPの危険性が明らかになったところで、HTTPS化することのメリットについても確認しましょう。
1. 安全な通信環境を提供
HTTPS化することで、データのやり取りが暗号化され、盗聴や改ざんのリスクを減らせます。
これにより、顧客は安心して情報を入力したり、購入手続きを行ったりすることができます。
2. SEOの向上
GoogleはHTTPS化されたサイトを優遇しています。
HTTPS化によって検索エンジンでの評価が高まるため、検索順位の向上が期待できます。
これは、ビジネスの露出を増やし、競合と差別化を図る重要な施策となります。
3. 顧客の信頼向上
HTTPSは、ブラウザのURLバーに「鍵マーク」が表示されるため、訪問者に対して「このサイトは安全である」というメッセージを伝えることができます。
安全性を保証することで、訪問者からの信頼を獲得しやすくなり、ブランドイメージの向上にもつながります。
HTTPからHTTPSへ移行する手順
HTTPS化の重要性が分かったところで、実際に移行する手順について説明します。
HTTPS化は比較的簡単に行えるため、技術的な知識がない方でも導入しやすくなっています。
1. SSL/TLS証明書を取得する
まずは、SSL/TLS証明書を取得します。証明書の取得は、信頼できる認証局(CA)から購入することが一般的です。
また、Let’s Encryptなどの無料のSSL証明書もありますが、ビジネス用途では有料の証明書が推奨されることもあります。
2. サーバーに証明書をインストールする
取得したSSL/TLS証明書を、使用しているサーバーにインストールします。
具体的な手順はサーバーの種類によって異なりますが、多くのサーバーで簡単に設定できるようにガイドが用意されています。
3. リダイレクト設定を行う
HTTPからHTTPSにリダイレクトするよう設定を行います。
この設定により、HTTPでアクセスしたユーザーも自動的にHTTPS接続に切り替わるため、利便性と安全性が向上します。
4. 各種リンクの修正と動作確認
移行後は、サイト内のリンクがすべて「https://」に変わっているかを確認し、問題があれば修正します。
また、実際に動作を確認して、正しく表示されているかチェックしましょう。
まとめ:HTTPサイトは危険を招き、ビジネスに悪影響を及ぼす!
HTTPサイトは、データの盗聴や改ざん、フィッシング詐欺のリスクがあり、訪問者の信頼を損なう要因となります。
企業の信頼性やSEO、コンバージョン率にも悪影響を及ぼすため、HTTPSへの移行が強く推奨されます。
SSL/TLS証明書を導入し、HTTPS化することで、ビジネスの信頼性を高め、より多くのユーザーに安心して利用してもらえるホームページを構築しましょう。